いざ車を買おうと思ったときに気になることの中に、「クーリングオフ」があります。
クーリングオフは、契約してから一定の期間内に、説明不要でキャンセル料なく契約を解約することができる制度です。
あなたが車を新車や中古車で買うときにも、契約書を交わして購入の契約をしますよね。その契約はクーリングオフできるのかどうかご存知ですか?
今回は、自動車購入の際に、クーリングオフが適用できるのかどうかを説明します。
自動車契約はクーリングオフできない
じつは、自動車購入の際には、クーリングオフが適用されないと、特定商取引に関する法律で決まっています。これは、新車、中古車にかぎらず、どんな車を買うときにも適用されません。
ただし、キャンセルはできる
ただ、勘違いしてほしくないのは、「クーリングオフができない」イコール「キャンセルできない」というわけではないということです。
新車や中古車を買う場合、大体同じ流れで話が進んでいきます。
- 展示場に行く
- 欲しい車を営業マンに見つけてもらう
- 金額の交渉をする
- オプションや値引きこの交渉をする
- 契約書にサインして押印する
- クレジット契約(ローン)の契約書にサインする
- クレジット会社の審査が通る
- 購入する車のオプションや改造、修理などが始まる
- 車の引き渡し
という流れです。
通常、クーリングオフというのは、6番や7番の契約書にサインしてから8日間がクーリングオフの期間となっていて、そのあいだはキャンセル料なく解約することができます。
キャンセル料を払わずに契約キャンセルするには契約成立前に
自動車購入の際にキャンセル料なしでキャンセルするには、契約が成立する前までに相手方の自動車販売会社に連絡する必要があります。
契約の成立日は2パターン
この契約が成立すると言うのは、契約書にサインすることではないと法律で決まっています。
パターン1 クレジット(ローン)での契約ではない場合
自動車の購入契約が成立するのは、以下の3つの中の一番早い日が契約日として規定されます。
- 自動車の登録が完了した日
- 注文により購入する車の修理、改造、架装などが始まった日
- 車の引き渡し日
パターン2 クレジット(ローン)での契約の場合
クレジット(ローン)を組んでたときには、クレジット会社に通った日が契約日になります。それ以前に車の修理や架装に着手していてもその費用は払う必要はないとされています。
ですから、新車を購入する際に、ほとんどの方はクレジットを組んで購入すると思いますが、その審査が通る前に「やっぱりキャンセルしたいです」という連絡を入れない限り、キャンセル料を払わずに解約することはできないと思った方がいいです。
なぜクーリングオフ適用外なのか
自動車を購入する際に、クーリングオフがなぜ適用されないのか?には、理由があります。
それは、クーリングオフが作られた目的のためです。
クーリングオフは一定の契約に限り、一定期間、説明不要で無条件で申込みの撤回または契約を解除できる法制度で、無店舗販売を規定する法律なんです。
おもに、訪問販売などで、契約強要などの被害が多くなってきて制定されたものです。
クーリングオフ対象の契約
主なクーリングオフできる契約は、
- 訪問販売
- 電話勧誘販売
- マルチ商法
- 特定継続的薬務提供(エステや学習塾、婚活サービスなど)
- 業務提供誘引販売取引(その仕事をするために必要なものを買わせるなど)
- 宅地建物取引
- ゴルフ会員権
- 投資顧問契約
などです。
簡単にいえば、あなたが家にいて、人が訪問したり電話がかかってきて、騙されて契約してしまったときなどに、8日間以内に契約を解約することができるようにつくられたものなのです。
自動車の売買は、ほとんどショールームや展示場に行ってから、それなりの長い時間をかけて契約をすることが多いです。わざわざこちらから営業所にいくわけですから、買いたい気持ちを確かめる前に契約してしまうこともないとおもわれるからです。
自動車契約をキャンセルするには
自動車契約をキャンセルするには、
- 契約が成立する前に連絡⇒キャンセル料なし
- 契約が成立した後に連絡⇒キャンセル料あり
どちらも大丈夫です。
ただし、1番は無料でできますが、2番はすでに契約が成立していますのでキャンセル料が発生します。
キャンセル料相場~新車は特に高い
多くのキャンセル料は、契約書に約款として小さい字で詳しく書かれています。販売店によって様々なキャンセル料を設定していますし、車の状態や契約日からの日にちでもキャンセル料は変わってきます。
特に、新車で購入する際には数十万円のキャンセル料がかかる場合があります。これは、一度でも車を登録してしまうと、新車ではなくなってしまうからです。
車を買おうと思われたらわかると思いますが、車にも新車、新古車、中古車と種類があります。一度登録してしまうと、その車を動かさず、誰も乗っていなくても新古車とか中古車扱いになってしまいます。
つまり、登録をして解除するという書類の操作だけで数十万円の価値が下がってしまうんです。それをキャンセル料としてもらうということになります。
もちろん、オプションや架装、改造をはじめてしまったら元に戻すのにもお金はかかりますし、ほとんど完成してしまったら、そのままにして同じタイプのものを欲しがる人がくるまで待つしかないので、さらにお金がかかります。
ですから、契約が成立した後にキャンセルするとキャンセル料はかならずかかりますし、1日でも遅くなるとそれだけキャンセル料は高くなるとおぼえておいてください。
高額なキャンセル料は無効となるケースも
ただ、調べたところ高額なキャンセル料を請求された場合には無効となるケースがあります。車の代金の半額を請求されたときとか、ほとんどを請求されたなんていう場合です。
そのような場合には、消費者センターなどに連絡してどうすればいいのかを聞くことができます。
一般的に高額な請求とは、その契約と同種の契約の解除により生じる平均的な損害額(実費など)を超える場合です。消費者契約法によって、超えた分は無効とされていますが、話し合いが必要になります。
購入後に中古車買取業者に買い取ってもらった方がお得な場合も
もしも、どうしてもキャンセルしなくてはならなくなって、キャンセル料がもったいないと思われたら、中古車買取業者に査定してもらって買い取ってもらう方がいい場合があります。
昔と違って、最近では車買取業者がたくさんできてきていますし、車一括査定サイトも充実したものが多いです。オークションを利用してる会社に査定してもらうことで、キャンセル料を払うよりは高く売却できる場合もあるようなので、選択肢の一つとして考えてみてください。
ただ、自動車購入の際に、一度契約してキャンセルするのはかなり面倒くさいですしリスキーです。ほとんどの場合、あなたがとても嫌な思いをするはずです。金銭的にもかなりマイナスになったり、大切な時間を費やさないといけません。
とくに、クレジット(ローン)の部分でもめることが多いです。後からもっと安いところがあった、現金の方が良かった、もっと安い車があった・・・なんてことはよくあることです。
なので、自動車購入を決めるときには、なんども考えたり家族に何回も相談することをおすすめします。
また、買わなければよかったなんて後悔しないように、買うと決めたときにすぐに買うんじゃなくて、数日おいてからもう一度考えたりして買うことを決めるようにすると良いですね。