職権打刻車は、運輸支局等などにより何らかの理由で車体番号が見えなくなった車を陸運支局の職員の職権により車体番号が打刻プレート(数年前はポンチで打刻した車)を付けた車です。

新車で国産車や正規代理店の輸入車を購入している場合、絶対に「職権打刻車」ではありません。

問題は、国産車でも輸入車でも悪い中古車者業者から知らずに「職権打刻車」を買ってしまうケースです。

今回は、そんな職権打刻車は車売却できない?査定にどう影響するのかについて調べました。

どんな場合に「職権打刻車」なるの可能性があるのかも調べましたので合わせてご確認ください。

車体番号とは

車体番号とは車のフレーム記載されている英語のアルファベットと数字で構成された番号のことです。通称フレームナンバーともいいます。

車体番号は、同じ車種、同じグレード、同じ年式であっても番号はすべて違っており重複する事のない番号です。

個々の番号である車体番号は自動車車検証(いわゆる車検証)の車体番号の欄に記載されています。

基本的に職権打刻になるようなケース以外は廃車になるまで車体番号は変わりません。

よってリコールなどにも使われますし、誰が乗っているかも識別できる番号であり、任意保険の自動車保険などでも必要な番号となっています。

職権打刻車は売ることができないのか?

決論から言うと、職権打刻車自体は売ることはできます。

査定の基準である、一般財団法人 日本自動車査定協会の中古自動車査定基準及び細則〔Ⅰ〕よると

職権打刻車の減点率は30%以内となっていて、かなり査定額が下がることを意味しています。

この減点率30点以内というのは、冠水車(フロアまで)の点数と同じ減点率なのでかなりの減点になります。

査定基準はかなり下がりますので安い買取額にはなりますが車自体は売ることはできます。

職権打刻車かどうか調べる方法

職権打刻車を調べる方法は、車検証をみれば具体的どの場所に職権打刻をしたかどうか記載されています。

また車検証の車体番号の欄の車検番号も漢字が使われており(現在は国)一般の車体番号と違うので見ればすぐに分かります。

職権打刻は平成21年6月以降は金属製プレートとセキュリティーラベルで目立つので、ボンネットを開けてみれてもわかるはずです。

以下の画像のように平成21年6月30日以降の職権打刻の金属製プレートとセキュリティーラベルは目立つものとなっています。

現在の職権打刻された車体番号は「国」という漢字が使われています。以前は陸運支局によって違う漢字が使われていましたので車検証の車体番号に漢字が含まれていれば職権打刻車になります。

職権打刻ラベル

画像引用元:一般社団法人 佐賀県自動車整備振興会公式ページ

職権打刻プレートやセキュリティラベルを剥がす為は道路運送車両法第31条(打刻の塗まつ等の禁止)に該当し、罰則が適用されるので職権打刻された際のものが剥がされている状態はありえません。

職権打刻車になりうるケース

職権打刻をされる事が考えられる理由は3つあります。

  • 盗難されて車体番号がフレームより削られる
  • 事故で車体番号が記載されたフレームが交換となる
  • 並行輸入車の場合

盗難車の場合

盗難車の場合、車体番号を削れば誰の車が分からなくなるので、盗難後に持ち主がわからなくする隠蔽工作の為に車体番号を削る行為を行います。

職権打刻されて中古車として販売されることは少なく、現在は海外へ輸出されるケースも多い。

ハイエースやランドクルーザーなどは盗難されて、車体番号を削られ、国内でバラバラにされ海外で組み立てられるなんていう話もよく聞きます。

事故車の場合

自動車のフレーム部分を事故により交換して、車体番号を新たに職権打刻をしたケースが考えられますが、車体番号は通常はフレームの部分でも最も損傷しにくい部分に記載されています。

車体番号が書いてある部分のフレーム交換するぐらいの損傷なら普通は全損で修理費がすごくかかります。

コレクション車両など、よほどの限り修理する理由がなければ修理しないで廃車にするケースが多く、職権打刻としてはレアなケースと考えられます。

並行輸入車の場合

並行輸入車とは、正規代理店を通さない、あるいは正規代理店がない場合に日本で売られていない海外の車種を輸入代行業者を通して、日本国内に輸入した車になります。

並行輸入車の場合も一部車両で、職権打刻されているケースがあります。

国土交通省の並行輸入自動車審査要領によると

5-2-2 車台番号
(1) 次のいずれかに該当する車台番号が車台に打刻されている並行輸入自動車は、
8 / 第1~8その番号を車台番号とする。
① 打刻様式及び打刻字体が指定自動車等の車台番号と同一と認められる車台
番号
② 打刻届出書が提出された二輪自動車等にあっては、打刻届出書に記載されて
いる車台番号
③ 自動車製作者等の資料により、当該並行輸入自動車を特定できる車台番号
(2) (1)以外の並行輸入自動車及び車台の製作者が特定されず車名が「不明」とな
る並行輸入自動車は、規程2-18(車台番号等の打刻作業等)の規定により、職
権による打刻が必要である旨を国土交通省へ連絡する。

引用元:国土交通省 並行輸入自動車審査要領

以上より職権打刻が必要な場合の並行輸入車は

  •  打刻様式及び打刻字体が指定自動車等の車台番号と同一と認められない車台
    番号の場合
  • 自動車製作者等の資料により、当該並行輸入自動車を特定できない車台番号の場合

の2つのケースになります。

職権打刻車は買ってもいいのか?

職権打刻車は、査定額がかなり下がるのでお買い得と思うかもしれませんが、買うのは止めましょう。

国産車の場合は、盗難車か事故車の可能性があります。

また並行輸入車の場合も同様に職権打刻が必要なケースでないのに、盗難車か事故車を売られるケースもあります。

安いからと言って、そこまでのリスクを背負って買うべきではありませんね。

まとめ

  • 職権打刻車は、運輸支局等などにより何らかの理由で車体番号が見えなくなった車を陸運支局の職員の職権により車体番号が打刻プレート(数年前はポンチで打刻した車)を付けた車。
  • 車体番号とは車のフレーム記載されている英語のアルファベットと数字で構成された番号のこと。
  • 車体番号は、同じ車種、同じグレード、同じ年式であっても番号はすべて違っており重複する事のない番号で通常は廃車になるまで車体番号は変わらない。
  • 車体番号は、個々の番号なので所有者やリコール時にも用いられるし、任意保険に入る時も使われる。
  • 職権打刻車は、車検証をみれば具体的どの場所に職権打刻をしたかどうか記載されている。
  • 職権打刻車の車検証の車体番号には「漢字(現在は国)」が含まれている。
  • 職権打刻車で国産車がなりうるケースは、盗難車か事故車。
  • 職権打刻車で並行輸入車でなりうるケースは、盗難車か事故車か、打刻と指定した車台番号と同一と認められない場合や自動車製作者が不明で特定できない車台番号の場合がありうる。
  • 職権打刻車は安くても盗難や事故車の可能性があるので買わない方がいい。
  • 職権打刻されて中古車として販売されることは少なく、現在は海外へ輸出されるケースも多い。
  • 一般財団法人 日本自動車査定協会の中古自動車査定基準及び細則〔Ⅰ〕よると職権打刻車は減点率30%以内なので、かなり査定額は下がる。

万が一愛車が「職権打刻車」のなってしまった場合や所有している場合、「職権打刻車」は査定基準が30%以内の減点なので、ディラーの下取りや1社のみの買取査定は、買いたたかれる可能性があります。

そんな時に一括査定サイトである「かんたん車査定ガイド」なら買取査定業者を競わせることで、最大の買取額が期待できます。