あなたの愛車を売ったり新たに買ったりするときに必要なもののひとつに、リサイクル券があります。
リサイクル券は自動車リサイクル法できめられている廃車処理費用です。
カンタンに言えば、リサイクル券は車のリサイクル料金を払ったという証明です。車を廃車処分に必要な費用なんですね。
中古車の売買のときには、買う人が売る人にそのリサイクル料金を払うことで受け継がれるもので絶対に必要になります。
ここでは
- 自動車リサイクル法
- リサイクル料金
- 払うタイミング
- 戻ってくるケース
などを説明します。
自動車リサイクル法とは
リサイクル券に関する自動車リサイクル法を説明します。
自動車リサイクル法とは、経済産業省や環境省によってつくられた資源のリサイクルに関する日本の法律です。正式な法律名は、「使用済自動車の再資源化等の関する法律」です。
平成14年(2002年)に作られて、平成17年(2005年)の1月1日から施行されました。
なので、平成14年以降に作られた新車にはかならずリサイクル券がついてるはずです。あなたも含めてほとんど見たことがない人が多いと思いますが、車検証にはさまれています。
平成14年当時、日本国内で廃車処分されて廃棄される車は約400万台ありました。
廃車処分されて廃棄が決まると、エンジンなどの部品をとったあとに鉄くずなどのお金になるものが取り除かれます。その後に残るのが、内装材量を中心としたシュレッダーダストと爆発するかもしれないエアバック、オゾン層を破壊するエアコンのフロン類などです。これらはお金をかけて処分しないといけませんでした。
お金をかけたくない業者によって、不法投棄や不正に処理されてしまうこともあって問題になっていたんです。
そこで、新車を買ったときに、あらかじめそれらの処理費用を義務付けたのが自動車リサイクル法なんです。
新車を購入した際にシュレッダーダスト、エアバック、フロンなどの処理費用を義務付けた。
リサイクル法の対象となる車
対象となる車は、次に書かれてある車以外です。
- 被けん引車(トレーラー)
- 二輪車(原動機付自転車、側車付のものを含む)
- 大型特殊自動車
- 小型特殊自動車
- その他農業機械、林業機械、スノーモービル等
あなたが普段乗っている車には、リサイクル券があると思ってください。
リサイクル料金の流れ
そして、最初に書きましたが、廃車する使用者がリサイクル料金を払う仕組みになっています。
どういうことかというと、
- 新車購入したAさんがリサイクル料金を払う
- AさんがBさんに売る
- BさんがAさんにリサイクル料金と代金を払う
- BさんがCさんに売る
- CさんがBさんにリサイクル料金と代金を払う
- Cさんが廃車処分する
という感じで、順繰りにリサイクル料金を払ったりもらったりしていきます。これは、中古車買取業者が間に入ろうと入らずとも同じです。
リサイクル料金を払った証明として渡されるのが、リサイクル券です。2005年以降に新車を買っていればかならず払ってるはずですし、それ以前に作られた中古車を買ってる場合は車検時に払ってるはずです。
私も車検証しか見たことがないのですが、車の中を調べてみるとしっかりと車検証と一緒に入っていました。そこには、金額も書かれていますので、いくらはらったのか、売買のときにいくら戻ってくるのかを確かめることができます。
リサイクル券の画像
以下のような紙がリサイクル券です。
(出典:車検と車の手続き案内センター)
もしも、車検証の中に見当たらない場合、再発行はできません。
リサイクル券が見当たらない場合
自動車リサイクルシステムのHPで調べて、代わりのものを車検証の中に入れておけます。
自動車リサイクルシステムのトップページから、
- 自動車ユーザーの方
- あなたの車のリサイクル料金は?
- リサイクル料金検索
の順番にクリックします。
すると、車両検索の画面になりますので、あなたの愛車の車検証から、
- 車両区分
- 車台番号
- 登録番号
などを入力します。利用目的の欄で「リサイクル料金の預託状況」にチェックを入れて、いちばん右下の「検索」をクリックします。
あなたの愛車の「自動車リサイクル料金の預託状況」が表示されますので、それを印刷して車検証に保管しておけば、リサイクル券の代わりとして使えますので安心してください。
オーナー負担のリサイクル料金相場
リサイクル料金の相場としては、6500円~7000円程度です。これは、自動車の種類によって変わってきます。
経産省のHPには、
- 軽・小型乗用車(エアバッグ類4個、エアコン有) 7,000~16,000円程度
- 普通乗用車(エアバッグ類4個、エアコン有) 10,000~18,000円程度
- 中・大型トラック(エアバッグ類2個、エアコン有) 10,000~16,000円程度
- 大型バス(エアバッグ類2個、エアコン有) 40,000~65,000円程度
- 資金管理料 新車購入時290円 廃車時410円
- 情報管理料金 130円
(出典:経産省HP)
と書かれていました。
支払ったリサイクル料金は、資金管理法人(財団法人自動車リサイクル促進センター)があずかって管理をおこなうということです。
リサイクル料金支払いのタイミング
リサイクル料金を支払うタイミングとしては、
- 新車購入時
- 中古車購入時
になります。
リサイクル料金はリサイクル券に書かれています。高くしたり安くしたりする人はいませんが、中古車を買ったときには、支払ったリサイクル料金が正しいのか、リサイクル券がしっかりと保管されてるのかを確かめておきましょう。
もしもリサイクル券がない場合は、購入先の個人や会社に問い合わせをしておいた方がいいと思います。
大手の中古車買取業者から買う場合には、リサイクル券がないってことは考えられませんが、個人の場合はありえます。もしも買ったときにリサイクル料金を払っていなければ、上に紹介した自動車リサイクルシステムのHPからリサイクル券に代わる預託状況を調べて印刷しておけば大丈夫です。
リサイクル料金が戻ってくるケース
ケース1 中古車買取業者や個人に売却
リサイクル料金が戻ってくるのは、あなたの愛車を”中古車買取業者”や”個人に売却”したときです。
リサイクル料金は廃車するときの処理費用ですので、廃車処分するときには戻ってきません。廃車せずに次のオーナーに売買するときには、次のオーナーからリサイクル料金を返還してもらえるということです。
パターン2 海外に車を輸出
海外に輸出する時も適用されます。
海外でそのまま乗り続けるために輸出するのでしたらリサイクル料金は返還されます。中古車買取業者に売った場合には、その会社が手続きしてくれるはずですが、個人で輸出したときには、返還の申請が必要となります。これは2年以内に行う必要があります。
廃車して、解体してから海外に部品として輸出する時には、解体時にリサイクル費用としてつかわれますので、返還はありません。
廃車でも売ればお得
廃車にするときには、リサイクル料金の返還はありません。
ただ、廃車にするからと言ってただで引き取ってもらったり、お金を払って廃棄してもらうのは、ちょっともったいないです。
廃車買取専門の業者がありますので、そちらを探して査定してもらうことで、いくらかでもお金にすることができます。
そんなときに便利なのが、廃車買取専門の一括査定サイトです。何社かありますが、おすすめはカーネクストとか、ハイシャルです。どちらも0円以上買い取り保証をうたっていますし、書類やレッカー代などの廃車費用はすべて無料でやってくれます。
全国どこでも利用できますし、査定は電話でOKです。
動かないとか事故車、車検をとってないなど、もう廃車するしかない・・・とおもわれたら、リサイクル料金は戻ってきませんが、廃車買取専門業者に問い合わせして見ることをお勧めします。
ただ、2005年以前に購入した車で、2005年以降に車検を一度もとってなかったらリサイクル料金はかかります。上に書いた値段は払わないといけないので、注意してください。