
ドイツの自動車メーカー、メルセデス・ベンツ(MBGn.DE)は火曜日、新型の全電動ラグジュアリーリムジンバン「Vision V」シリーズを発表!このシリーズの一部は中国で生産される予定です。
車内がプライベートシネマに
この新型バンには、ベッドとしても使用可能なリクライニング式のラウンジチェアや、大型スクリーンが搭載されており、車内をプライベートシネマやカラオケバーとして利用できるよう設計されています。
メルセデス・ベンツのCEO、オラ・ケレニウス氏は、上海モーターショーに先立って行われたイベントで「今日は、移動式プライベートラウンジという我々のビジョンを皆さんにお見せしたい」と語りました。
彼はさらに、「中国をはじめ、世界中でこのような新しいセグメントには大きな可能性があると確信している」と述べ、このコンセプトモデルと実際の生産モデルは非常に近いものになるだろうと付け加えました。
「Vision V」の特徴と市場戦略
「Vision V」 は、メルセデス・ベンツが提案する新しいラグジュアリー電動バンで、従来のバンの枠を超えて、完全にプライベートでラグジュアリーな移動空間を提供することを目的としています。以下はその特徴です。
移動式ラウンジ
車内にはリクライニングチェアがあり、これをベッドとしても使用できるデザインになっています。また、大型のスクリーンが搭載されており、映画やカラオケが楽しめるプライベート空間を演出します。
電動化
完全に電動のシステムで、環境への配慮がなされており、特に中国市場ではエコロジー志向の顧客層をターゲットにしています。
中国市場での生産
メルセデス・ベンツは、このモデルの一部を中国で生産する予定です。中国は世界最大の自動車市場であり、特に高級車や電動車の需要が高まっています。
メルセデス・ベンツの中国市場における状況
メルセデス・ベンツは、中国市場での販売が近年減少しています。2023年の販売は7%減少し、2024年の第1四半期にも10%の落ち込みを記録しました。特にバンの売上は深刻で、昨年は20%減少し、2024年の第1四半期にはさらに39%の落ち込みとなりました。この背景には、競争の激化と中国国内の経済不安が影響しています。
メルセデス・ベンツは、こうした困難な状況を乗り越えるために、新しい高級車市場の開拓を目指して「Vision V」のような革新的な製品を投入しています。この新型バンは、単に高級感を提供するだけでなく、電動車という時代のトレンドに応えつつ、特にラグジュアリー志向の顧客層をターゲットにしています。
今後の展望と中国市場の重要性
中国市場は、メルセデス・ベンツにとって非常に重要な位置を占めています。中国は世界最大の自動車市場であり、特に電動車の需要が急速に拡大している地域です。
しかし、地元メーカー(BYDやXPengなど)との競争が激化しており、メルセデス・ベンツはブランド力を活かしつつ、新しいセグメントの開拓に力を入れています。
「Vision V」のような高級電動バンは、メルセデス・ベンツが中国での新しいニーズに応えようとする試みの一環です。このコンセプトが成功すれば、同社の中国市場での回復と成長に貢献する可能性があります。